安定株といえばエネルギー関連です。
エネルギー関連株に投資を考えている方も多いのではないでしょうか。
エネルギーは私たちの生活に欠かせないものであり、関連企業も多くの投資家から注目されています。しかし、エネルギー関連株にはどのようなリスクがあるのでしょうか。
本記事では、エネルギー関連株のリスクと、それを抑えて資産を守るための投資方法についてわかりやすく解説します。初心者でも安心して取り組める内容をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。
※なお、本文中で紹介している配当利回りの数値は作成日時点のものです。最新の配当利回りについては、別途確認することをおすすめします。
エネルギー関連株とは?
エネルギー関連株とは、主に石油、ガス、再生可能エネルギーなど、エネルギーの生産・供給に関わる企業の株を指します。
これらの企業は、エネルギー資源の探査、採掘、供給、再生可能エネルギーの開発など、多岐にわたる業務を行っています。エネルギー関連株は、景気に影響を受けることが多い一方で、日常生活に不可欠な分野であるため、安定した収益を期待できる部分もあります。
エネルギー関連株のリスク
エネルギー関連株に投資する際に考慮すべきリスクについて説明します。
1. 原油価格の変動リスク
エネルギー関連株の多くは、特に石油やガスの価格に大きく依存しています。原油価格は世界的な需給バランス、地政学的リスク、政策などによって大きく変動します。このため、原油価格が下落すると、エネルギー関連企業の収益も大きく影響を受け、株価が下落する可能性があります。
2. 政策リスク
エネルギー業界は、政府の政策に大きく左右されます。例えば、温室効果ガスの排出削減を目指した政策が強化されると、石油やガス企業にとって不利な環境が生まれる可能性があります。
一方で、再生可能エネルギーの普及を後押しする政策が打ち出されると、その分野の企業には追い風となります。このように、政策の変化が企業の業績に直接影響する点がリスクとなります。
3. 地政学リスク
エネルギー資源の多くは、中東などの地政学的に不安定な地域に集中しています。そのため、紛争や政治的な不安定要因が発生すると、供給が滞り、エネルギー価格が急騰したり、供給不安が広がることがあります。このような地政学リスクは、エネルギー関連株に大きな影響を与えます。
ローリスクでエネルギー関連株に投資する方法
エネルギー関連株に投資する際に、リスクを抑えて資産を守るための方法を紹介します。
1. 分散投資を心がける
エネルギー関連株だけに集中するのではなく、他のセクターにも分散して投資することで、リスクを軽減することができます。
例えば、テクノロジー、ヘルスケア、不動産といった異なる分野にも投資を行うことで、エネルギーセクターに特有のリスクから資産を守ることができます。また、エネルギー関連株の中でも、石油・ガス企業だけでなく、再生可能エネルギー企業にも投資することで、エネルギー市場全体のリスクを分散することが可能です。
再生可能エネルギーは、政策の後押しもあり成長が期待される分野であるため、特に長期的なリスク分散の観点から有効です。さらに、さまざまな地域のエネルギー関連企業に投資することで、地政学的リスクも分散し、安定した投資環境を作り出すことができます。
2. 高配当株を選ぶ
エネルギー関連企業の中には、安定した配当を行っている企業も多くあります。
高配当株を選ぶことで、株価が下落しても配当金による収入を得ることができ、投資リスクを抑えることができます。また、安定した配当を得ることで、株価の変動があっても安心して保有を続けることができるというメリットがあります。
特に、長期的な視点で配当を受け取ることで、資産の安定的な成長を目指すことが可能です。さらに、高配当株は景気変動に強い企業が多く、安定した事業基盤を持つことが多いため、リスクを抑えながら長期的な収益を得ることが期待できます。
加えて、配当再投資を行うことで、複利の効果を活用し、資産の増加を加速させることができます。このように、高配当株はローリスクで安定した収益を得るための有力な選択肢となります。
3. 再生可能エネルギーに注目する
再生可能エネルギーは、今後の成長が期待される分野であり、政策の後押しも受けやすい分野です。再生可能エネルギー企業に投資することで、長期的な成長を享受しつつ、従来のエネルギー企業に比べて環境規制などによるリスクを軽減することができます。
日本と海外の代表的なエネルギー関連株
エネルギー関連株に投資する際には、具体的にどの企業に注目すべきかを知ることが重要です。ここでは、日本と海外の代表的なエネルギー関連企業とその特徴を紹介します。
1. 日本の代表的なエネルギー関連株
- JXTGホールディングス(ENEOSホールディングス)
- 上場市場:東京証券取引所(TSE)
- 特徴:日本最大の石油会社であり、石油製品の供給を行っています。安定した収益基盤を持ち、配当利回りも比較的高いことから、配当収入を得たい投資家にとって魅力的です。
- 配当利回り:4.0%
- 東京ガス株式会社
- 上場市場:東京証券取引所(TSE)
- 特徴:ガスの供給を行う日本有数のエネルギー企業であり、再生可能エネルギーにも積極的に取り組んでいます。長期的な成長が期待される企業です。
- 配当利回り:3.2%
- 関西電力株式会社
- 上場市場:東京証券取引所(TSE)
- 特徴:電力供給を行う企業であり、安定した収益と配当を維持しています。電力需要に支えられた安定したビジネスモデルが魅力です。
- 配当利回り:3.5%
- 中部電力株式会社
- 上場市場:東京証券取引所(TSE)
- 特徴:電力供給を行う大手企業で、原子力発電所も保有しています。安定した収益基盤を持ち、再生可能エネルギーにも積極的に取り組んでいる点が特徴です。
- 配当利回り:3.0%
- 東北電力株式会社
- 上場市場:東京証券取引所(TSE)
- 特徴:東北地方に電力を供給する企業で、再生可能エネルギーの利用にも積極的です。配当利回りが安定しており、長期的な保有に向いています。
- 配当利回り:3.1%
2. 海外の代表的なエネルギー関連株
- エクソンモービル(ExxonMobil Corporation)
- 上場市場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)
- 特徴:世界最大級の石油・ガス企業であり、長年にわたって安定した配当を提供しています。原油価格の変動に影響を受けやすいものの、その規模と収益力は魅力的です。
- 配当利回り:4.5%
- シェブロン(Chevron Corporation)
- 上場市場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)
- 特徴:エクソンモービルと並ぶアメリカの石油大手で、安定した収益と配当を維持しています。再生可能エネルギー分野にも投資を拡大しており、成長が期待されています。
- 配当利回り:4.2%
- BP(British Petroleum)
- 上場市場:ロンドン証券取引所(LSE)
- 特徴:イギリスのエネルギー企業で、石油・ガスの供給に加えて再生可能エネルギー分野にも注力しています。配当利回りが高く、長期保有に適しています。
- 配当利回り:5.0%
- ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell)
- 上場市場:ロンドン証券取引所(LSE)
- 特徴:多国籍なエネルギー企業で、石油・ガスだけでなく再生可能エネルギーにも積極的に投資しています。配当利回りが安定しており、長期的な投資先として人気です。
- 配当利回り:4.8%
- トタルエナジーズ(TotalEnergies SE)
- 上場市場:ユーロネクスト・パリ(Euronext Paris)
- 特徴:フランスの大手エネルギー企業で、石油・ガスに加えて再生可能エネルギー分野への投資を積極的に行っています。クリーンエネルギーへの転換を図っており、将来の成長が期待されています。
- 配当利回り:5.2%
まとめ
エネルギー関連株は、生活に欠かせないエネルギーを提供する企業に投資することで、安定した収益を期待できる一方で、原油価格の変動や政策の影響を受けやすいリスクもあります。ローリスクでエネルギー関連株に投資するためには、分散投資を心がけ、高配当株や再生可能エネルギー企業に注目することが重要です。
- 原油価格の変動リスクに注意
- 政策や地政学リスクを考慮して投資を行う
- 分散投資や高配当株、再生可能エネルギー企業への投資でリスクを軽減
これらのポイントを押さえながら、自分に合った投資方法でエネルギー関連株に取り組んでみましょう。ローリスクで安定した資産形成を目指すことが、成功への第一歩です。