いまさら言うことでもない気がしますけれど。
一応テーマとして扱うので、認識に齟齬がないように用語設定です。
FIRE(Financial Independence, Retire Early)とは、経済的自立を早期に達成し、通常のリタイア年齢よりも早く引退することを目指すライフスタイルや考え方のことです。
FIREは「経済的自立(Financial Independence)」と「早期退職(Retire Early)」の頭文字を取った言葉で、主にアメリカで生まれたムーブメントとして知られています。
FIREの基本的な考え方
トマ・ピケティ氏が唱えた「r>g」が基本です。
rは資本収益率で5%/年程度の収益率
gは経済成長率で年に1~2%
ま、ややこしいことは置いときまして
要は「資産収益>使うお金」の状態にしようぜ、ってことです。
FIREの目標は、働かなくても生活費を賄えるだけの資産を早い段階で築くことです。
そのためには、以下のようなアプローチが一般的です。
- 積極的な貯蓄・投資
高い貯蓄率を維持し、投資によって資産を増やすことがFIREの基本です。収入の50%以上を貯蓄・投資に回すことも珍しくありません。 - 支出の最適化
節約を徹底し、生活費を抑えることで、資産が目標額に早く達するように工夫します。無駄な出費を削り、生活の質を維持しつつ効率よく資産を築くことが大切です。 - 運用資産からの収入で生活
十分な資産を築いた後は、その資産の運用益や配当で生活することを目指します。一般的なFIREプランでは、4%ルール(年間生活費を運用資産の4%以内に抑える)が参考にされます。
独身か、扶養家族がいるかで全然難易度変わります。
FIREの種類と概要
1. Lean FIRE(リーンFIRE)
Lean FIREは、非常に節約志向で、ミニマリストな生活を目指すスタイルです。少ない資産でも早期に経済的自立を達成し、低い生活費で生活するのが特徴です。一般的に贅沢は避け、基本的な生活費をまかなう資産を築きます。
- 概要: 生活費を極限まで削減し、少ない資産でリタイアする。
- 資産目標: 生活費を極限まで抑えるため、他のFIREタイプよりも低め(例:数千万円)。
- リスク: 生活の幅が狭く、予期せぬ出費(医療費など)に対する柔軟性が少ない。
2. Fat FIRE(ファットFIRE)
Fat FIREは、贅沢な生活を維持しながらリタイアを目指すスタイルです。高い収入を維持し、リタイア後も快適なライフスタイルを確保できるだけの資産を築きます。一般的なリタイアよりも多くの資産を必要としますが、生活の自由度が高いのが特徴です。
- 概要: 高い生活水準を維持しつつ、経済的自立を達成する。
- 資産目標: かなり高額(例:2億円以上)。
- リスク: 多額の資産を築くため、リタイアまでの時間が長くなる可能性がある。
3. Barista FIRE(バリスタFIRE)
Barista FIREは、完全なリタイアはしないものの、資産運用で生活費の大部分をまかないながら、パートタイムで働くスタイルです。「バリスタ」という言葉は、必要に応じてパートタイムの仕事をすることを意味しており、資産だけで生活を賄うことはできないが、フルタイムでの労働からは解放される状態です。
- 概要: 資産運用からの収益とパートタイムの仕事で生活費をまかなう。
- 資産目標: リタイア資金を全額必要としないため、中程度(例:5000万円~1億円)。
- リスク: パートタイムの仕事が維持できるかに依存する。
4. Coast FIRE(コーストFIRE)
Coast FIREは、早い段階で資産を築き、その後はその資産が運用によって成長するのを待ちながら、少ない収入で生活するスタイルです。運用収益が十分に成長した時点で完全にリタイアすることを目指します。資産を貯めるフェーズを早期に終え、その後は少ない収入で生活します。
- 概要: 一度十分な資産を築いた後、フルタイムでの労働をやめ、資産が成長するのを待つ。
- 資産目標: 中程度の資産(例:5000万円~1億円)。
- リスク: 市場の成長に依存しており、市場が低迷する期間があると計画が狂う可能性がある。
それぞれのFIREの資産収入と労働収入の比率
平均的な資産運用と労働からの収入の比率
各FIREのスタイルにおいて、資産運用からの収益と労働からの収入の比率は異なります。一般的な目安を以下に示します。
1. Lean FIRE
- 資産運用からの収益: 80%〜100%
- 労働からの収入: 0%〜20%
- Lean FIREの場合、労働収入はリタイア後にはほとんど得ないことが多く、資産運用からの収益が主な収入源です。
2. Fat FIRE
- 資産運用からの収益: 100%
- 労働からの収入: 0%
- Fat FIREでは、全ての生活費を資産運用による収益で賄うため、労働からの収入はリタイア後は不要です。
3. Barista FIRE
- 資産運用からの収益: 50%〜70%
- 労働からの収入: 30%〜50%
- Barista FIREでは、資産運用から得られる収益が生活費の一部をカバーし、残りをパートタイムの仕事などで補います。
4. Coast FIRE
- 資産運用からの収益: 初期は0%〜50%、リタイア後は100%
- 労働からの収入: 初期は50%〜100%、リタイア後は0%
- Coast FIREでは、リタイア前は資産運用に頼らず、労働収入で生活します。運用資産が十分に成長すると、最終的には労働からの収入が不要になります。
まとめ
FIREにはさまざまなアプローチがありますが、どれも経済的自立を目指す点では共通しています。資産運用と労働収入の比率は、選択するFIREのスタイルによって異なり、節約志向の「Lean FIRE」から、贅沢を重視する「Fat FIRE」まで幅広い選択肢があります。自分のライフスタイルや目標に合ったFIRE戦略を選び、それに向けた計画的な貯蓄と投資を行うことが重要です。